|
『趣都の誕生-萌える都市アキハバラ』の感想耳に馴染んだ話が多かったのですが、でもやはり面白かったのだと思います。 別に全体が危なくなるほどではなかったのですが、斎藤環の『戦闘美少女の精神分析』から繰り返し引用があって、かなり引きずられていました。さらに、それらすべては手塚治虫に起源があるということになっていて、乱暴なのではないかなあと思いました。ジェット機に描かれてアメリカまで飛んで行ったポケモンは戦闘美少女ではないわけで、手塚治虫以前、たとえば瀬尾光世のアニメ映画の時代から動物が主役の子供向けのアニメの系譜は断絶無く、脈々と続いているわけです。 グールドが昔、ミッキーマウスのデザインの変遷について語っていたみたいに、アニメキャラクターの幼形進化というのは、日本に限らず世界的な現象で、男性より女性の方が、幼形進化(ネオテニー)という点では進んでいるというのも、別に誰も疑問に思わない事柄であるわけです。さらに言えば、短頭長頭という指標や、n頭身という指標で言っても、アジアの方が、欧米より幼形進化が進んでいるわけですから、アニメのキャラクターも、欧米より日本の方が幼形進化が進んでいてもなんら不思議でも、特別な説明が必要なことがらでも、ひきこもりなどの異常心理を持ち出す必要もありません。 そういえば、最近、ポケモンの中で進化と言っている例とか、野球解説者が大きく成長したというべき場面で進化したと言っている例をつかまえて、誤用だと新聞に書いている人がいましたが、遺伝的アルゴリズムは、誤用なのか? と言いたい。そういえば、故グールドは、4割打者がいなくなった理由についても進化のメカニズムを適用していました。生物の進化と同じメカニズムは計算機の中にも、アニメのキャラクターにも、投手の頭の中にも存在するわけで、何かにとらわれた頑固な頭が、自明の事柄を異常視したり、目くじらを立てているだけです。 ポケモンもセーラームーンも幼形進化の例に過ぎないのにセーラームーンだけを切り出してとやかく言うのは、インチキな言説だ。ということです。
外部リンク
関連ページ
作成 2003/6/13 - 更新 2006/07/24 |
関連ディレクトリ 関連サイト
|
[HOME] [古代史] (C) MATSUOKA , Hajime |