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『ヤマタイカ』感想『死都日本』に登場する踊狂現象という用語が、『ヤマタイカ』とつながっていたので、読んでみたところ、多数の共通点を見つけました.『死都日本』が『ヤマタイカ』に大きく依存していると考えて間違いなさそうです.また思い出したら書きますが、両方読んだ場合、後に読んだほうの面白さが、かなり割り引かれてしまうくらいの重なり具合だと思います.
1986年11月号からの4年間の連載ということなので、『ヤマタイカ』の成立の方が10年以上早くて、ちょうど日本がバブルという別の形式の踊狂現象の最中にいたわけで、それをうまく解釈しなおしているという気もします.『「おかげまいり」と「ええじゃないか」』が1993年に岩波新書から再刊されるたのも、『ヤマタイカ』の影響かも知れないとか思ってしまいます. 『ヤマタイカ』では、火山が噴火する中で、縄文vs弥生という戦いが、ほぼ全編に渡って続いていたのですが、戦う必然性はあまりはっきりしないままでした.ヤマタイカvs死都日本という対比自体にも、荒削りで発散する縄文対、細部にこだわりまとまりのある弥生という風な対比を見てしまいます. 九州の甘木市と、機内の大和とに共通の地名があり、日向と熊野にも同様の共通点があるという指摘が、それ自体も面白いと思ったのですが、前者の傾きは、京都と東京を結ぶ直線と平行ですし、後者を結ぶ線を延長すると、東京を通るという風に、風水以前の邪馬台国の時代から続くデザインが存在するのかも知れません あと、国産みの神話も出てきて、播磨灘の真ん中に火山が作られてしまいます.もしも、播磨灘の周囲の土地がカルデラの名残だったりしたら、半径30Km超の、巨大さですが、神話を作った人としては火山の無い地域で、播磨灘を噴火の後にできた池に例えたのだろうと神話を解釈したのでしょうが、でも、これは、筆が滑った感じでしょう.それでも、播磨灘の中心、仮想の噴火口のある辺りと姫路を結ぶ線は、姫路市の14度傾いた都市軸に一致している気もします
『ヤマタイカ』の場合、ストーリーが沖縄で展開していた頃からも銅鐸がどんどん出てきていたのですが、近畿を中心に発掘される銅鐸というのがあるので、作者は混乱している部分もあるのだなあと思ったのでした。2003/10/17追記
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作成 2003/10/16 - 更新 2006/05/12 |
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