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でっちあげ

学者の言うことは正しくて、一般人の言うことは間違っているという大雑把な考えで済ませている人は多いと思いますが、そういう人が困る場面も良くあります。

トンデモ本の筆頭で紹介されている大槻教授が、TVなどで専門外のことまでいろいろ喋って間違いだらけとか、吉村作治教授が3の3乗は9 といったみたいななさけないものではなく、以下に並べているのはユーモラスです。でも信じている人が出てきたとたん悲惨になりますが。

通商白書2002 都市圏人口の計算を2000年の国勢調査のデータで再計算したのを探していてたまたま見つけたのですが、

通商白書2002 の中の1ページがあまりにも数盲の技で怒ってしまいました。国民は数盲だという馬鹿にした前提がなければこんな白書恥ずかしくてだせないはずです。あるいは、大数の法則さえ知らない官僚が日本にはいるということですか?

都市圏ごとの業種別従業員分布のデータから、比率を求めて分布が全国分布に近いほど多様性があるという評価を下しているのですが、その計算法が小学生じみていて、大数の法則のせいで大都市ほど多様性があるという結論になる式です。大都市だから大都市だというトートロジーを白書に書いて、アホかという話です。根拠にされているDuranton and Puga(2000)とかいうのも実在するなら地球外に吹き飛ばしてほしいところです。

それだけでは収まらないみたいです。この白書では「多様性」というのが重要なキーワードとして扱われている様ですが、多様性という耳障りの良い語を使いつつ、グローバルスタンダードの推進みたいな時代に逆行する方向へと国を導きかねない誤用が、この白書の尻馬に乗って続いている様です。

生物の多様性を守るべきという場合の「多様性」は、反グローバリズムと同じベクトルですが、この「多様性」という名前の無意味な合成変数は、実際には、都市が平凡で無個性であればあるほど高くなります。

2003/2/1追記

 

サブリミナル刺激

1957頃の最初の論文自体がでたらめだったということです。その割には、最近でも「日経サイエンス98/7」に下條という人が、映画館でポップコーンの売り上げが増える話として述べていて、養老孟司は聞きとがめることなく、そのまま流していました。養老孟司自体、映画を30fpsだと言っていたりして、98/7の対談は最悪です。サブリミナル云々と今頃言っているのは、サブリミナルテープで願望実現といっている宗教とか、陰謀史観が大好きで、無理矢理にTVCMに操られていることにしたい人くらいだと思っていたのですが。(日経サイエンス98/10に訂正記事が載っていました。)

外部リンク

Subliminal Effect(http://www.icsd2.tj.chiba-u.ac.jp/mame/doc/pseudo/subliminal.html) Subliminal Effect (2) (http://shannon.icsd2.tj.chiba-u.ac.jp/mame/net/subliminal.html)

fjでの議論がまとめてありました。

Columbus' Electronic Literary Magazine

James Vicaryの1957年の記事が再録されていました。1/3000秒のフラッシュを使って45000人について実験した結果、"eat popcorn"で57.5%、"Drink Coca-Cola"で18.1%の売り上げ増という様な話です。本当なら2シグマどころではありませんが。

subliminal perception and advertising (http://wheel.ucdavis.edu/~btcarrol/skeptic/subliminal.html)

英文を長々読むのが面倒な人は、hoaxという単語を検索してそのあたりを読んでください。

Lessons from the Judas Priest Trial

ここでは、fabricationという単語の周辺に関連記事があります。

The Subliminal Threat Scare

James Vicary氏の顔写真がありました。

Forgetting (http://netra01.colchsfc.ac.uk/~psychlgy/forget.htm)
Subliminal Appeals (http://advweb.cocomm.utexas.edu/research/biblio/Subliminal.html)

文献リストです。James Vicaryの二番煎じをやったのは、Wilson Bryan Keyという人のようです。広告の中に性的なイメージが埋め込まれているとかいうものです。これも、1993年にM. Rogersという人に否定されている様です。Bornsteinという人はリストに入っていません。

Subliminal Priming Works (http://www.gettysburg.edu/~s368603/Priming.html)

日経サイエンス経由のメールの情報では、下條氏はRobert F. Bornsteinという人を信頼していることになっています。Bornstein氏と同じ大学の人のこのページでは、下條氏と同じように、Vicaryのが、1/3000秒のフラッシュから映画のひとこまに忍び込ませるという風に変質しています。また、でたらめだったけれど、サブリミナル広告を禁止した所もあるので、研究する意味があるに違いないとの主張もありました。(軍施設に入れないのはUFOが隠されているからだというのと同じ論理です。)

tetsugaku_pan.html http://douglas.doshisha.ac.jp/~PHILOS96/tetsugaku_pan.html()

TVでおなじみ富田隆先生推奨のサブリミナルテープみたいなページが多いなかから探した「サブリミナル」という語を含むアカデミックっぽいページです。下の欄のドゥールズ、ガタリの名前も出てきます。

「報酬があれば潜在意識が教えてくれる」:人間で初めて実証 WIRED VISION 報酬ありの実験に限って1/500秒のヒントが有効になるそうです。 線状体の仕事だそうです。でも、ポップコーン実験から始まっているサブリミナル刺激にとって報酬に相当するものは無さそうです。2008/9/26追記

関連ページ

下條氏の本の紹介記事のリンク集

最初の実験がでたらめだっただけではなく、サブリミナル刺激の考え方自体、他の概念で置き換え可能で不要な概念ではないか? とも思えてきています。

「Newsweek」を読んでいたら、子供向けビデオにヌードが2コマまぎれていたので、あめりか回収騒ぎが起きたというのが載っていました。サブリミナルという概念の存在がいたずらを引起しているわけですよね。

 

 

 

ソーカル事件

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ガタリ、ドゥルーズあたりのフランスの哲学者の書いている論文のいい加減さを攻撃するために、同工異曲の論文を発表し、その後、でたらめさを暴いたという事件です。

「科学朝日」2000/5の岩波書店の広告に日本語版の広告が載っていました。妻に買ってきてと頼んでいたのですが、忘れられていました。(2000/4/21)

10%offで買ってきてくれました。発行が少し遅れたみたいです。これから読みます。昔、アスキーネットPCSでwadさんとかと認識論的相対主義について話していたら、倫理における相対主義だと解釈してしまう人がでてきて混乱したこととかあったと思います。それとか、相手の主張していないことについて論難してみせるというのもパソコン通信時代によくあったことです。虚空に吠える犬につられる犬がいる心配はしなければなりません。そのころの記憶がいろいろよみがえります。

19ページに、ポストモダンの哲学者だけではなく、通俗書でのホーキングやペンローズの憶測も攻撃すべきだという読者からの意見というのが出てきたのですが、それはそうだと思います。人間原理についてパソコン通信時代に何度も攻撃した記憶があります。(2000/5/30)

まだ途中ですが、「事実と事実についての主張の混同」というあたりで、主語の同一性が保たれていない良くある症状だなあ、と思いつつ。そういえば、昔、アスキーネットACSで、解釈は1つでも事実は無数という風に言っていた教授がいたという風に聞いて普通、解釈は無数にあっても事実は1つという風に言うところだからその人が聞き間違えたのだろうと思っていたのですが、実はソーカルたちが攻撃している種類の相対主義−−−そういえば、アスキーネットには、何でも「フツーどうこうだ」とフツーをつける人がいました。平均以下の判断力しか持たない人にとって自分の判断を平均的な判断で置き換える方が有利なので普通どうであるかが重要なのは、平均以下である証拠だと、ワインバーグの意見を引用して攻撃したことがあるのですが、その類の−−−事実はどうでも良くて、みんなが事実だと思っているかどうかが重要だという風な、相対主義が、思いの外はびこっているのかも知れません。思い返せば、「本当の私」などいうものは幻想に過ぎないと言っている教授もいました。成り立たない前提を述べた後に、ひどい主張をする(昔は左翼の)西部邁とかも、「自己実現」という言葉に拒絶反応を示していて、原因を辿ると、同様の思考パタンがあったのかも。(2000/6/1)

宮崎哲弥氏による西部邁が共著者になっている「愛国心」という本の書評で、西部氏の言動を「あえていう極論僻説」と済ませている表現がありました。あまりにもぴったりな表現なので気に入りました。西部極論僻説邁と改名するのも良いかも

2003/8/28追記

注など読み飛ばしたと思うのですが、大体、終わりまで目を通しました。形態形成場理論を、特に説明すること無く、エーテルの時代に戻りたくないから駄目という感じで済ませています。別に1つの解釈だから許されると思うのですが、このあたりは、ベイズ統計の考え方に著者たち余り馴染んでいないのかもという気がしました。ラプラスの前提部分を抜いて引用すると数盲発言になってしまうあたりで、何か罠に陥っている様にも見えました。

検証を経ていない段階では、どの仮説も等価であるというのは納得できるとおもうのですが、その点では、著者たちが嫌っている相対主義も受け入れ可能なはずです。単なる偶然という説明しか思い付かないなら、どんなに偶然では説明しにくい事柄でも、偶然と結論づけるしかないわけで、そこに科学者の教条主義的な態度が現れてきます。相対主義が本来攻撃していたのは、幼稚な仮説扱いして無視することで、既存の科学で説明できなければ、万能仮説「偶然」に任せるという部分のはずです。攻撃されている理由が分からずに反撃したところで、力が弱いと思います。それに、自分では憶測を述べることもしているわけで、この点でも、割り引かれると思います。

たとえば、抽象絵画を見て、それが題名と著しく食い違っていても、それに文句を言う人は滅多にいないわけで、社会科学の内部から批判されているのでない限り、今回批判された人は懲りないと思います。でもまあ、引用されて攻撃された人たちは、どう見ても「へたうま」ではなく、「へたへた」ですね。(2000/8/13)

「知」の欺瞞

アラン・ソーカル、ジャン・プリクモン 著
岩波書店 
350ページ
2800円+税
ISBN4-00-005678-6 C0010
2000/5/24発行

このサイトでの関連ページ

パソコン通信
月刊百科にあった意味不明な記述
科学論での占星術

外部リンク

ソーカル事件:ある物理学者とポストモダン知識人達の対決 日本語版の著者の序文からもリンクが張ってありました。

 

 

 

「鼻行類」

これは、童話みたいなものだと思って読んだのですが、中には、本当だと思ってしまった人もいるみたいです。ぬいぐるみとか作ればヒットすると思うのですが。学術本ばかり出していた出版社から出ていたのに最近は変わったみたいです。

外部リンク

About_Nasobema (http://www.linkclub.com/~tahara/NASOBEMA.html)
 

 

ベイズ統計を使ったスパムフィルター

ポール・グラハムという人がでたらめなことを書いていたので、
Amazon.co.jp: 本 ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

amazonの書評で指摘したら、間髪いれず、

ITmedia エンタープライズ:スパム対策に欠かせないベイズ理論とは? (1-2)

ポールグラハムを持ち上げつつ、ベイズ統計を噛み砕いて説明したつもりの記事が載りました。僕の書評と、ITmediaの記事には関係が無いかもしれないけれど、盲人の国では、目が見える人は精神異常者扱いされるという法則が、適用されそうで恐ろしく感じています。

読書メモ ハッカーと画家

ここで説明を追加しておきました。

A Plan for Spam 本を買わなくても翻訳がWeb上に載っていました。2002年8月からでたらめが放置されていた様です。 猿ブッシュが核兵器のボタンを持つ世界ではベイズ統計を理解していないプログラマがスパムフィルターのプログラムを作っても文句が言えないのでしょうか?
Spam / Paul Graham

誰もが事前確率分布を仮定せざるを得ないということを認識しているのがベイジアン(ベイズ主義者)です。事前確率分布を無視して困ったら姑息な手段で綻びを繕って済ませているベイジアンなんて形容矛盾でしかありません。

それとも、ベイジアンという言葉には「ベイズもどき」のという意味合いがあるのでしょうか?

『ハッカーと画家』の中でポールグレアムは、領土争いはゼロサムだが、サイバースペースではそうではないという風なことを言っているわけですが、いまだに他人のものを略奪することによってしか生きていけない人間もいるわけです。昨今の知的財産権訴訟なんかも、良心を棚上げにした弁護士弁理士を大量に雇用することで、技術に疎い裁判官を相手に不可能な拡大解釈を押し込むことで、他社を妨害しブランドイメージを破壊するあわよくば利益を掠め取るという様な不合理な戦乱の世界です。

ポールグレアムの「なんちゃってベイズ統計」の例も、ベイズ主義者が吐き気を催すようなことを平然と書きながら、他方では一般人の無知に付け込み、不可能な拡大解釈(あるいは詐称)によってベイジアンを名乗るという様なことによってサイバースペースにおける他人の領土を間接的に略奪しているわけです。

2005/2/9追記

United States Patent 6,732,157 Comprehensive anti-spam system, method, and computer program product for filtering unwanted e-mail messages

ベイズ統計を用いるスパムフィルターなんてあたりまえだと思っていたら、2002/12の出願でも特許になっていたりするみたいですね。もしも、これが、みんなが、2002/8にポールグレアムがベイジアンと言っているから、特許にならないと思って安心していたせいだとすればどうしますか? ポールグレアムのは、名前だけで、中身はベイズ統計とは何の関係の無いものであったので、論文の後になって出された普通にベイズ統計を利用した特許が新規性を認められて特許になるという様なことがおきたという可能性もあるのではないでしょうか? (まあ単に請求範囲が狭くて特許になったのだと思いますが。一国先発明主義のアメリカの特許なんて何があるかわかったものではありません。)

ポールグレアムは、変数間の相関を無視して単なる掛け算で済ませる乱暴で拙速なアルゴリズムのことをベイジアンフィルターと呼んでいる訳ですが、彼の説明を読めば彼がベイズ統計を誤解しているのは明らかです。

2005/2/10追記

ではどうすべきか? 2005/2/14

外部リンク

ITmediaアンカーデスク:米国特許が愛想を尽かされる理由 (2-2) 対スパム技術が特許のせいで使えなくなる心配がここに書いてありますね。

ITmediaニュース:先願主義を導入すべき――MS弁護士、特許法改正を訴える 先発明主義でも年間1億ドル特許訴訟に費やせばやっていけるわけですね。

2005/3/14追記

 

 

ダーウィンが死の床で変節したという捏造 立花隆がロッキード事件のために費やした時間がもったいなくて溜まらないと述懐しているように、無数の間違ったことが存在し、いちいちそれらを指摘していたらそれはとてつもない時間の浪費であるわけですが、グールドなんかは、大部の著書を何冊分もファンダメンタリストとの戦いに費やした上で60歳で早死にしてしまったわけです。グールドの本を全部読んだわけではありませんが、彼の本にも載らないくらいの稚拙な捏造もあったのですね。

外部リンク

Google 検索 ダーウィン 捏造
Google 検索 ACCS 有罪 ハッカーとクラッカーが同一視され、バグを指摘したら有罪になる現在の日本で、ダーウィンに関する捏造が法的にどう扱われるのか知りません。
 

外部リンク

BIGLOBEサーチ:“でっちあげ でたらめ”での検索結果 2003/6/3現在108件中1位。2位の重要度は5

関連ページ

フェスティンガーの認知的不協和の心理
フィードバックの第N法則
森鴎外 薬害エイズ、狂牛病は第二第三の森鴎外
日本の国土軸 人口重心の計算式の間違い方など、アメリカの国民と日本の官僚は数盲らしいと思ってしまいます。
K-mean法 このなかで触れている国土交通省の統計の方法も頭悪そうです。
数盲の政治家?
ハッカー=クラッカーという迷信に基づく政治
少子化を防ぐには大学の地方移転 毎回将来人口予測を間違ってきた社人研も、数盲あるいは捏造する官僚の例ですね。
自衛隊員の次の生贄はプログラマだ
先発明主義 2006/10/9追記

2008/09/26更新

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