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ソフトウェア教育について

96/6/7に(社)日本電子工業振興協会から来ていたアンケートが、日本で、ベンチャーが成功しない原因を教育に求める様なバイアスがかかっていたので、妙だと思いました。それで思った事を書きます。

一般に日本の企業は大学での教育にも期待しておらず、大学での成績もあまり重視せず、入社後に再教育を行なうという風なことになっています。また、「サイエンス」か何かの記事で、入社後の業績と、大学での成績には関係がなく、大学での成績は、大学教授に向いた資質を選び出しているだけだということが書いてありました。つまり、現在の日本の大学は、大学教授の再生産以外の機能は期待されていないわけです。
現実に、「アエラ」などでも、ぼろぼろの校舎に、老朽施設という現状をレポートしていました。僕が大学生の時にも、落書きだらけの教室と、教室間を移動する歩道が泥んこの道だった悲惨な記憶があります。
答えがわかっている問題をいかに速く答えるかという受験教育のそのままの延長上にあるのが大学で、それに、あたらしい分野を作り出すような、機能を期待するのは見当違いだと思います。

「ベンチャービジネスと特許戦略」には、多くの基本的な発明は個人から出ており、企業や研究機関では改良が行なわれているという前置きの後、大企業が、ベンチャーの出願した特許が公開されてから、それを真似した製品を作り、特許が成立するのをできる限り遅らせて、その間特許料は払わないという習性を持っていると書いてありました。
これは、悪い冗談ですが、すでに答えの出ていることを利用するのがうまい人間が、順調な人生行路を歩んで、大企業に就職し、その結果、ベンチャーから収奪することしかできない存在になっているのかも知れません。とすれば、ベンチャーから収奪する人材を育てる機関としての大学が存在する限り、日本でベンチャーは育たないという結論になります。

大学でのソフトウェア教育という点についてですが、ソフトウェアサイエンス自体が、まだまだ未熟だと思います。例えば、プログラムを書くのに、今でも繰返しループを書いたりしているわけです。それは、高校の数IIIか、数IIBででてきた、「アルゴリズム」という部分と変わらないわけです。学問としてちゃんと発展していないから、ちょっと考えれば分るようなことしか教える事ができないし、コンピュータは、10年でメモリ量が100倍になる世界で、変わらないのは、小学生にもわかるくらいのことだけだったりする気がします。なので、プログラミングについて大学で学ぶ必要があるのかどうかは疑問です。つまり、この分野では、教えるべき事は少なくて、後は、個々の人間の創造性だけの問題なのだと思います。

僕個人は、大学ではほとんどソフトウェアの勉強はしていません。東大の情報科学科は、定員が15人で、進学振り分けの点数が一番高いというとても入れない学科であることが入学後にわかってすぐに諦めました。学部の定員なんて、需要によって決まるわけではなく、教える側の教授の人数できまるのでしょうから、しょうがありません。

あと、データベースを作るゼミがあって参加したのですが、英語の輪講が大変で困りました。それにCPUアーキテクチャーの説明も無しにアセンブラでプログラムを作るという点でも困りました。結局、でたらめなアセンブラを書いては見たのでしょうが動かした記憶はありません。

僕の場合、大学に入ると入学祝いで、MZ-80Kを買いました。それで、BASICを覚えました。マシン語はシャープの開く講習会みたいなのがあって一度出ましたが、ROMのルーチンのアドレスとか、ポートアドレスなどの情報が、本になっていなくて、個別的に開示しているみたいなのが気に食わなくて、覚える気になりませんでした。メーカーとしては、そんなことをすべてのユーザーに開示したら、サポートが大変だからということなのでしょうが。APIに習熟したり、ハンドアセンブルができたりするのはすごいとは思いましたが、自分でそうなりたいとは思いませんでした。しばらくして、F-DOSとかいう、フロッピーディスクのOSが出て、その段階でようやくアセンブラを使う様になりました。

アルゴリズムについては、主に「bit」で学んだのだと思います。19才くらいの時に、クイックソートについて、概念だけ知っていて、BASICで、コーディングしようとして、スタック構造に思い当たらずに、コーディングできなかった事があります。当時は、BASICだけを使っていて、でも、BASICで、再帰プログラムを書くこともできませんでした。BASICで、再帰プログラムを書く方法については、現在IBMでハードディスクとか作っている小柳君に教えてもらいました。
コムソートについては、「日経バイト」で学んだのだと思うのですべてを「bit」で学んだとも言えまず、昔は、アスキーにした所で、プログラミング技術について載せていた様な気もします。

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